従来品(単層)
測定項目 | 単位等 | [1] LL単品 |
[2] LL単品 |
[3] LL単品 |
---|---|---|---|---|
フィルム厚み | mm | 0.050 | 0.040 | 0.030 |
衝撃強度実測値 | kg/cm | 7.7 | 6.2 | 4.8 |
破断強度換算値 (kg/cm2) |
MD | 385 | 390 | 355 |
TD | 380 | 370 | 280 | |
破断強度実測値 (kgf) |
MD | 1.92 | 1.56 | 1.06 |
TD | 1.90 | 1.48 | 0.84 | |
破断伸度 (%) |
MD | 950 | 975 | 810 |
TD | 1210 | 1175 | 975 | |
弾性率換算値 (kg/cm2) |
MD | 2790 | 2770 | 2660 |
TD | 3450 | 3570 | 3620 | |
弾性率実測値 (kgf) |
MD | 0.279 | 0.221 | 0.160 |
TD | 0.345 | 0.285 | 0.217 | |
突刺強度 | g | 160 | 135 | 115 |
ヘイズ | % | 13.8 | 12.7 | 11.2 |
グロス | % | 90 | 91 | 90 |
考察1
従来品(単層)においては、フィルムの厚みが薄くなるにしたがって、物性(衝撃強度、破断強度、弾性率、突刺強度)は明らかに低下する傾向(44〜63%※1)にあります。問題は30μ単層品Bに明らかなように、軽量物(ブロー容器、インジェクション成型品等)の包装・カバーに必要とされる最低限の物性を保有しているかという点にあります。特に作業性に影響を与える物性として重要な腰の強さ(曲げ弾性力)がMD、TD方向ともにかなりのレベルまで低下(MD:57%、TD:63%※2)しているという事実は重要であるといえます。
※1 破断強度実測値、弾性率実測値の@に対するBの比率(MD、TDを区別しない最小値と最大値の範囲)。
※2 弾性率実測値の@に対するBの比率。
開発品(多層)
測定項目 | 単位等 | [4] HD38% |
[5] HD47% |
[6] HD56% |
---|---|---|---|---|
フィルム厚み | mm | 0.030 | 0.030 | 0.030 |
衝撃強度実測値 | kg/cm | 4.6 | 5.1 | 5.5 |
破断強度換算値 (kg/cm2) |
MD | 320 | 350 | 375 |
TD | 245 | 265 | 285 | |
破断強度実測値 (kgf) |
MD | 0.96 | 1.04 | 1.12 |
TD | 0.73 | 0.80 | 0.85 | |
破断伸度 (%) |
MD | 640 | 665 | 685 |
TD | 965 | 1035 | 1100 | |
弾性率換算値 (kg/cm2) |
MD | 4530 | 4950 | 5330 |
TD | 6090 | 6690 | 7260 | |
弾性率実測値 (kgf) |
MD | 0.271 | 0.295 | 0.320 |
TD | 0.365 | 0.400 | 0.435 | |
突刺強度 | g | 125 | 135 | 140 |
ヘイズ | % | 10.4 | 9.5 | 8.6 |
グロス | % | 89 | 95 | 101 |
考察2
開発品(多層)においては、透明HDPE(高密度ポリエチレン)の混合比率を高めるにしたがって、強伸度面での物性(衝撃強度、破断強度、突刺強度)は向上する傾向(116〜119%※1)にあります。ここで確認しておくべきことは、軽量物包装用フィルムの必要特性として重要な腰の強さ(曲げ弾性力)がHDPEの混合比率を高めることにより、明らかに向上(MD:118%、TD:119%※2)しているという点にあります。また同じフィルム厚の30μ単層品Bと30μ多層品Eとの比較においても、物性面での優位性(101〜200%※3)があるといえます。
※1 破断強度実測値、弾性率実測値のCに対するEの比率(MD、TDを区別しない最小値と最大値の範囲)。
※2 弾性率実測値のCに対するEの比率。
※3 破断強度実測値、弾性率実測値のBに対するEの比率(MD、TDを区別しない最小値と最大値の範囲)。
測定項目 | 単位等 | [1] LL単品 |
[3] LL単品 |
[6] HD56% |
---|---|---|---|---|
フィルム厚み | mm | 0.050 | 0.030 | 0.030 |
衝撃強度実測値 | kg/cm | 7.7 | 4.8 | 5.5 |
破断強度換算値 (kg/cm2) |
MD | 385 | 355 | 375 |
TD | 380 | 280 | 285 | |
破断強度実測値 (kgf) |
MD | 1.92 | 1.06 | 1.12 |
TD | 1.90 | 0.84 | 0.85 | |
破断伸度 (%) |
MD | 950 | 810 | 685 |
TD | 1210 | 975 | 1100 | |
弾性率換算値 (kg/cm2) |
MD | 2790 | 2660 | 5330 |
TD | 3450 | 3620 | 7260 | |
弾性率実測値 (kgf) |
MD | 0.279 | 0.160 | 0.320 |
TD | 0.345 | 0.217 | 0.435 | |
突刺強度 | g | 160 | 115 | 140 |
ヘイズ | % | 13.8 | 11.2 | 8.6 |
グロス | % | 90 | 90 | 101 |
結論
多層薄肉化フィルム[軽量タイプ]には、内容物(ブロー容器、インジェクション成型品等)の包装・カバー時における強伸度面での適正な物性(衝撃強度、破断強度、突刺強度)が要求されます。しかしながら重量物の包装時との比較をしますと、そのレベルはいくぶんの許容範囲があるものといえます。むしろ内容物の確認が可能な透明性と、なによりも作業性の維持、向上が図られるフィルムの腰の強さ(曲げ弾性力)が重要であるといえるのです。開発品(多層)においては、中間層を透明HDPE(高密度ポリエチレン)で構成することにより、透明性の向上と適度の物性(衝撃強度、破断強度、突刺強度)を維持することができました。また引張強度(破断強度)が弱くなる傾向にありますが、軽量物の包装・カバーには支障がないものと判断します。いずれにしろ同じ厚みである従来品(単層)との比較においては、すべての物性面での向上が図られており、省資源(最大40%)による環境負担低減の観点に立つならば、この開発品(多層)の優位性は明らかであるといえます。
●MDはMachine Directionの略です。
●TDはTransverse Directionの略です。
●表中の数値は幣社での測定値です。
●表中の換算値は実測値を単位面積あたりに換算したものです。
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