多層フィルム技術
 
 生産ラインでの効率性
接着層のないオレフィン系共押出多層構造からなるフィルムです。そのことにより各層の樹脂設計が可能となり、フィルムに単層では得られなかったさまざまな機能と特色を持たせることができます。 薄肉化と物性の維持・向上を図ることにより、フィルム使用時における生産ラインでの効率性を高めることができます。従来と同様の生産条件(スピード、シール温度等)にもかかわらずフィルム巻数を多くすることによってフィルム掛け換え時間の短縮が図られ、生産の効率化が可能となるのです。
 従来品との 同一性
 安心・安全への配慮
内外層は従来品と同質のLDPE(低密度ポリエチレン)を使用しています。そのことによりフィルム表面における外観上の相違(透明度、光沢等)は認められず、また物性面(感触、硬さ等)においても同一性を持ったフィルムといえます。 欠点検出機を設置することにより、異物(虫、ゴミ等)の混入をできるだけ避けることが可能となります。また作業環境の整備(二重扉、陽圧等)により、お客様の安心・安全面でのご要望に応えた供給責任が果たせるものと考えます。
 薄肉化への対応
 環境問題への対応
中間層に密度の高い透明HDPE(高密度ポリエチレン)を使用します。そのことによりフィルムの厚みを薄くしても不可欠な物性である適度の押さえる力(曲げ弾性力)を維持・向上することが可能です。また適度の透明性と通常の引張り強度、伸びもあるフィルムといえます。 多層技術と中間層の樹脂設計による薄肉化フィルムは、樹脂使用量の削減(最大25%)を可能とします。そのことは資源節約の観点から、低炭素化社会の実現に貢献できる環境問題解決型製品といえるのです。
 
 
 
 
   
  多層共押出機       スリット加工機       欠点検出機  
                     
 
 
 
 
考察1
従来品(単層)においては、フィルムの厚みが薄くなるにしたがって、物性(衝撃強度、破断強度、弾性率、突刺強度)は低下する傾向にあります。それに対してヘイズ(透明性)、グロス(光沢性)などの特性には顕著な違いはないといえます。問題は30μ単層品Bと40μ単層品@との比較において、窓用フィルムの必要特性として最も重要な押さえる力(曲げ弾性力)がフィルム厚に比例して低下(MD:87%、TD:71%※)するということなのです。

※ 弾性率実測値比較。
 
考察2
開発品(多層)においては、フィルムの厚みが薄くなるにしたがって、強伸度面での物性(衝撃強度、破断強度、突刺強度)は低下する傾向にあります。しかしながら窓用フィルムの必要特性として最も重要な押さえる力(曲げ弾性力)は、フィルムの薄肉化にもかかわらず、維持、向上(MD:90〜96%、TD:102〜103%※)していることが確認できます。また同じフィルム厚の35μ単層品Aと35μ多層品Cとの比較においては、フィルムの強さ(弾性率)は向上(MD:128%、TD:104%※)しているといえるのです。

※ 弾性率実測値比較。
 
 
 
結論

BOXティシュ取出窓用フィルムには、ティシュが連続してボックスから引き出されないように適度の押さえる力(曲げ弾性力)を必要とします。この力が大きすぎるとティシュが引き出される際に擦れて音や粉が出たり、ティシュが破れたりする原因となります。またこの力が小さすぎるとティシュが連続して引き出されにくくなったり、数枚まとまって引き出される原因となります。一般にフィルムに必要とされる物性は、厚みが厚くなるにしたがって強く大きくなる傾向にありますが、開発品(多層)においては、中間層を透明HDPE(高密度ポリエチレン)で構成することにより、適度の透明性と通常の引張り強度、伸びを維持することができました。また厚みが薄くなるにもかかわらず、窓用フィルムに要求される最も重要な特性であるこの押さえる力(曲げ弾性力)を向上できたことは、なによりもこの開発品(多層)の最大の特徴といえるのです。


MDはMachine Directionの略です。
TDはTransverse Directionの略です。
表中の数値は幣社での測定値です。
表中の換算値は実測値を単位面積あたりに換算したものです。  
 
 
  FNP01.pdf (5,591KB)